佐々木の主張

佐々木賢治の主張を、皆様にお伝えいたします。

小宇宙 2000年11月15日

些細なきっかけが大きな奇縁となる事もあり人の世とは面白い物です。

今朝日本経済新聞の朝刊最終面40頁の文化欄に兵頭精(ひょうどう ただし)さんと言う女性について書かれていました。この女性は日本の女性飛行家第1号であると言う。

その記事に寄れば「25年程前にNHKの朝の連続ドラマ"雲のじゅうたん"があった。秋田出身のヒロインが父親の反対を押し切って上京し日本初の女性パイロットになる物語だが、実はこれはフィクションで本物の女性飛行家第1号は1899年に愛媛県に生まれた兵頭精(ただし)だった。」と書かれている。

この兵頭と言う名前は愛媛県の南予地区に多い名前であり、私の目を引き読んだ次第です。この女性は愛媛県北宇和郡広見町出身で私の出身地ですが、全く知らない人であった。地元でも語られる事の無い人である。その経緯は本日、平成12年11月15日の日経新聞を読んで戴くとして、何気なく紙面を走らせた目が兵頭と言う名を掴み、新しく郷里の先駆者について学んだ次第です。

そして昨日読んだ本に次の短歌を見つけた事を思い起こし、若干の思いを抱いた次第です。

さして行く 宿の燈火 見えそめて
急ぐには惜し 春の夜の月

私の母校、宇和島東高校のボート部の応援歌「佐田岬」の作詞者徳本 光信氏の作です。旧制第七高等学校の寮歌の曲を取り未だに歌い継がれているが、一番だけ引用します。

  1. 佐田の岬に沈み行く 燃ゆる夕日を背にあびて 夕もやこもる宇和島の 紺碧の海 音たてて 漕ぐやオールの音高く 鉄腕うなる ボートーマン

因みに上記の短歌は、名古屋で開かれた高校の同窓会で先輩の井関氏のご配慮で手にした徳本 光信氏の遺族によって纏められた遺詠集「レイシの蔭」中に、目にしたものです。(レイシはのレイの字は草冠の下に力を3ヶ、シは枝であるが、レイの漢字が無いためやむなく此処ではカタカナを使いました。尚、レイシは中国原産の果実で始皇帝、楊貴妃が愛でたと言われ、最近では冷凍で日本でも良く見かけます。以上蛇足迄)

この歌はほのぼのとした春の夜をを歌った徳本氏の辞世の句であり、同氏は昭和22年4月30日中国広東で戦犯として刑死。

佐々木

主張一覧